プラセンタ
プラセンタ(ヒト胎盤抽出物)とは
プラセンタとは哺乳動物の胎盤のことを指します。胎盤は胎児と母体をつなぎ、様々な栄養成分や成長成分の供給、排泄物などの処理を行っています。ヒト以外の哺乳動物の大半は出産すると本能的に自分の胎盤を食べてしまうのですが、一番の理由としては出産によって消耗した体力を回復させるため、と考えられています。動物たちは本能的に、胎盤に非常に多くの栄養素や有効成分が入っているのがわかっているのです。
歴史
ヒトがプラセンタを活用し始めたのは、なんと紀元前までさかのぼります。始皇帝やクレオパトラ、楊貴妃やマリー・アントワネットが、不老不死や美容のために活用していたようです。近代ではマリリン・モンローやオードリー・ヘップバーンが活用していたと言われています。日本では1950年代に注射製剤が更年期障害、乳汁分泌不全、肝機能障害の改善目的で厚労省から認可を受けました。
このように古くから用いられていましたが、実はプラセンタの詳しい成分や働きについては長い間わかっていませんでした。しかし近年、バイオテクノロジーの発達によって、疲労回復、抗アレルギー作用、美肌作用、抗老化作用など、幅広い分野にも効果があることが分かってきました。
作用
生命の源
いろいろな生理機能をもつ
アミノ酸
人の身体をつくる栄養素
タンパク質
エネルギーの源
細胞構造を維持する
糖質
細胞を作る
重要な材料の1つ
脂肪・脂肪酸
生理機能を調節し
代謝をスムーズにする
ビタミン
ミネラル
血液・体液の調整など
さまざまな働きをする
遺伝子の修復
新陳代謝の調整
核酸
生体内の化学反応を
助ける
酵素
幹細胞の再生の関与
肝細胞増殖因子
HGF
繊維芽細胞増殖因子
FGF
血管新生、創傷治癒
胚発生などに関与
神経細胞の成長・維持・
修復などの調整に関与
神経成長因子
NGF
上皮成長因子
EGF
創傷治癒、皮膚の新陳代謝
ハリの回復に関与
インスリン様成長因子 IGF
体のほとんどの組織や
細胞の成長、胚発生などに関与
免疫応答や
炎症反応の調整に関与
インターロイキン
効果
女性特有のお悩みを改善する効果や肝臓の働きの強化する効果のほか、疲労回復、抗アレルギー作用、美肌作用、抗老化作用などの効果があることが知られています。
具体的には、更年期障害の症状改善、乳汁分泌の促進、生理痛・生理不順の改善、肝機能障害の改善、免疫力up、アレルギー症状の改善、肌の張り・しわの改善、美白効果、創傷治癒の促進、育毛促進、神経痛の改善、といった効果が見込めます。
治療方針
当院ではしっかりと初回カウンセリングをしたうえで、症状に応じて投与量や投与頻度、投与方法を決めます。通常は1週間に1-2回、1回1アンプルの投与からスタートします。個人差はありますが、2-3回の治療で効果を実感できる人が多いようです。投与方法は皮下注射か筋肉注射になります。投与方法で薬剤の吸収スピードが違うため、栄養素の効果を求めるなら筋肉注射を、有効成分の効果を求めるなら皮下注射がよいでしょう。
静脈注射を行っているクリニックも存在しますが、プラセンタの静脈投与は厚労省から許可されていません。
また、静脈注射ではすぐに体外に排出されてしまうのであまり効果が期待できません。
注意点
プラセンタ注射製剤は生物由来なので未知なる感染症に対する安全性が証明できないという理由から、一度でも注射を行うと当面の間は献血ができなくなります。しかし今のところ日本ではプラセンタ注射による感染症の報告はありません。
重大な副作用はありませんが、薬剤に対するアレルギーがでる可能性はあります。注射によって内出血が生じる可能性があります。継続投与している方が途中で中止しても問題はありませんが、プラセンタによってもたらされていた効果が徐々に感じられなくなります。
注射に抵抗感がある方は、経口から摂取できるサプリメントもご用意しておりますのでご相談ください。
価格について
保険診療
自由診療
メルスモン
ラエンネック
更年期障害、乳分泌不全の方
初回:約1000円/回
2回目以降:約500円/回
慢性肝疾患における肝機能障害の方
初回:約1000円/回
2回目以降:約500円/回
1100円/回(税込)
LINEからの予約は1000円/回(税込)
プラセンタの自由診療について
プラセンタはヒト胎盤抽出物を一般名とする医薬品として国内で承認されています。また、医薬品医療機器等法において「更年期障害」、「乳汁分泌不全」、「慢性肝疾患における肝機能障害」の改善の効能・効果で承認されています。承認されている医薬品ではありますが、健康増進やエイジングケア目的での使用については国内で正式な承認はされていません。当院で使用するプラセンタは国内のメルスモン製薬株式会社と株式会社日本生物製剤で製造されたものを使用しています。